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【インタビュー】臨床美術クオリアート 代表 大池由美さん

2017.12.20更新

 心に笑顔をつくるアート、臨床美術クオリアート。

 「さあ、このリンゴの絵を描いてみましょう」って言われたなら、皆さんはどんな絵を描きますか?おそらく大勢の人が、“赤くてまるいリンゴを描くでしょう。四角いリンゴやマーブル模様のリンゴ、凸凹のリンゴ、そんなリンゴは描かないでしょう。だって、幼い頃から私達は「きちんと見て描きましょう。」って、教えられてきたのですから!色も、形も、リンゴらしく描いていくことが、「正しいりんご」の描き方でした。

 ところが、臨床美術の世界では、四角いリンゴも、マーブル模様のリンゴも、凸凹リンゴだって、「あり!」なんです。形・見た目に囚われず、描く人の感受性で想いのままに描いたリンゴなら、その人らしいリンゴ・立派なリンゴとして認められます。すごく面白い世界だと感じませんか。「臨床美術クオリアート」主催のワークショップでリンゴを描く時には、まず「リンゴを触わる」ことから始めるそうです。そして、食べる、味・香り・食感を味わう、感じる。時には、音や写真、絵もプラスさせ、より自分らしい感性で五感でリンゴを描いていくそうです。それはまるで、“味わいを描く世界”だと驚かされました。一瞬にして、その魅力に惹き込まれました。これが、臨床美術のチカラなんだ!!この面白さを教えてくださったのが、「臨床美術クオリアート」代表の大池さんです。

 そもそも臨床美術とは、「絵やオブジェ等の作品を楽しみながら作ることによって、脳を活性化させ、高齢者の介護予防や認知症の予防・症状改善、働く人のストレス緩和、子どもの感性教育などに効果か期待できる芸術療法(アートセラピー)のひとつである」と定義付けされているそうです。一瞬、堅さや難しさを感じるのですが、その魅力的な作品を目にすると、「ワクワク感」や「チカラ」、「上手い下手を超えた世界」、「輝き」が直に伝わってきます。

 脳が喜ぶ!心が笑う!と言われる臨床美術の魅力の裏側には、秘密隠されていました。「すべてのプログラムにそれぞれのプロセスがあり、そのプロセスに沿って、私達スタッフはワークショップ(脳いきいきアートプログラム体験)進めています」と大池さん。この世界では、参加者の持っている潜在能力をより引き出させるプロセスがしっかりと考えられているそうです。料理で言うとレシピ(手順)のようなもの。このプロセスがあるからこそ、ちゃんと導き出せれる、その人ならではの魅力と個性。臨床美術士にとって大切なのは、制作の時間をともに過ごし、その人ならではの作品づくりをサポートすること。いっしょに色を塗り、いっしょに紙を折り、いっしょに線をひく。臨床美術士である大池さんらが、参加者に寄り添い声をかけることで、迷い不安が取り除かれ、心が解放され、次第にリラックス、達成感や満足観を実感されるそうです。最初、硬い表情だった方も、終わる頃には笑顔が生まれるそうで。そして、ワークショップの終わりには必ず鑑賞会を開くそうです。スタッフはそれぞれの作品の良いところを、具体的な言葉で褒めます。このコミュニケーションで参加者全員が、自分自身の作品を素直に受け入れて、楽しかったと感じられることに繋がるから。共感!隣りの人と比べない!いっしょに楽しむ!これこそが、臨床美術の真骨頂だと知りました

 臨床美術クオリアートは設立が平成22年とまだ新しい団体です。スタッフは現在27名。資格を持った臨床美術士と、活動に賛同している賛助会員で構成されています。高松市を中心に、この香川の地に臨床美術を広めたい思いで活動を続け、今年で7年目。その活動場所は保育園から高齢者施設、瓦町FLAG(8F市民活動センター)など。「自分にこんな絵が描けると思わなかった」、「最初どうなるかと思うたが、うまいことできた」、「何回も参加するうちにだんだん大胆なものが作れるようになった」。こんな声に励まされるそう。そして、大池さんの原動力は、何よりも臨床美術のプロセスが好きということ。 「私が楽しい、面白いと感じる臨床美術を、より多くの方に伝えたいんです。今日は何をするんだろう!とワクワクしながら五感をフルに使って制作し、楽しかった!と帰ってもらえる場所にして行きたい」と、笑顔で夢を語ってくださいました

※大池さんへの取材日は2017年10月14日です。

お問い合わせ先
臨床美術クオリアート
電話:090-6281-0677(担当:大池)
HP:http://www.arttherapy.gr.jp